第12小委員会からNSCIHへの移行
第12小委員会からNSCIHへの移行
Transition from the Subcommittee 12th to NSCIH
伊東 孝 Takashi ITOH

15年ぐらい続いた「第12小委員会」(技術遺産)が、NSCIH(産業遺産国内学術委員会)への移行手続きが2025年第3回通常理事会にて承認された。
ICOMOS GA2023 Sydneyで、ISCIH(産業遺産国際学術委員会)が正式発足するという噂があったが、そこでは具体化されなかった。2024年5月、ICOMOSからISCIH役員選挙を実施するとの連絡があり、日本イコモスが推薦するVoting member(= ISCIH代表)とNSCIH代表を届けるようにとの依頼があった。Voting memberは松浦利隆氏、NSCIH代表は伊東になった。これを受け、日本イコモスの6月理事会では、いままでタスクフォースとして暫定的な存在であった「第12小委員会」を正式なNSCIHにすることが報告された。(なお7月にはICOMOS ISCIHで選挙がおこなわれ、アイルランドのMary-Liz McCarthy氏がISCIHの委員長に選ばれた。)
実はわたしとしては、この段階でNSCIHが正式に認定されたものと理解していたが、最近、移行手続きの書類申請・理事会承認を得なければ、正式には認定されてないことを知り、あわてて申請書類を認めた次第である。
さて冒頭に〝15年ぐらい続いた「第12小委員会」“と記したが、最後の3年間は、活動はしていたが、その忙しさと個人的な理由も重なり、一度も会合は開けなかった。たとえば2022年には高輪築堤問題、TICCIH Montreal、TICCIH会長マイルズ・オグリソープ氏の来日とTICCIH Day、2023年には前述したICOMOS GA。2024年には個人的なことだが、13年前に手術した腰椎の脊柱管狭窄症が悪化して再手術、今年の3月には頸椎手術と続いた。現在も手脚の痺れは残っているが、ようやくパソコンのキーボードを打てるようになった。
今年も産業遺産関係のイベントは、目白押しである。主だったものでも、1月に開催された高崎での「富岡製糸場と絹産業遺産群」世界遺産登録10周年国際シンポジウム、7月6日には世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」登録10周年記念シンポジウムが有楽町の東京国際フォーラムで開催される。8月下旬にはスウェーデンのキルーナでTICCIH 2025の大会が開催される(筆者も発表・報告予定)。このとき現会長のオグリソープ氏が交代する。
秋以降には体調も大分回復していると思われるので、新生ISCIHとNSCIHとの共同主催で会合を開催したいと思う。会合形式はリアルとズームで、今後、できれば春・秋の2回開催、以降軌道にのったらズームを利用できるので、海外からの参加も可能な会合にできればと考えている。
しかし最初の1回については、過去および今年のイベント報告、そして今後のあり方などについて参加者の希望や意見を聞いて、今後の運営の参考にしたいと考えています。
詳細については、秋以降にお知らせします。みなさまの参加を期待します。
(産業遺産情報センター)